5連勝からの5連敗
中日ドラゴンズ、5連勝から5連敗……なぜ勝てたのか、

「5連勝!」
ドラゴンズファンなら、
ヤクルトに勝ち、さらに阪神にも連勝。
しかも8月25日は4-2、26日は4-0。
首位・阪神を相手に2試合連続で勝ち切った。
「ひょっとして、ここから何か起こるんじゃないか」
そんな期待を抱かせるには十分だった。
ところが、
8月27日、阪神に3-4。
28日、DeNAに2-4。
29日、DeNAに0-1。
30日、DeNAに3-4。
そして9月1日、広島に1-5。
5連勝のあとに5連敗。
しかも、ただ負けたのではない。
「勝てそうだったのに落とした」試合が多い。
9月1日終了時点で中日は51勝70敗1分け、勝率.421。
では、いったい何が起きているのか。
今回は選手の起用、投手交代、打順、
まず、5連勝は決して「まぐれ」ではなかった
5連敗を見ていると、
「5連勝もたまたまだったんじゃないか」
と思いたくなる。
しかし、それは違うと思う。
5連勝中のドラゴンズには、明確な勝ちパターンがあった。
先発投手がゲームを作る。
打線が少ないチャンスをものにする。
リリーフが逃げ切る。
そして、守備で余計なミスをしない。
これができていた。
8月22日はヤクルトに5-4。
23日は3-2。
25日は阪神に4-2。
26日は阪神に4-0。
接戦もあれば完勝もある。
つまり、単純に「打線が爆発した5連勝」ではない。
投手を中心に、チーム全体が噛み合っていた5連勝だった。
だからこそ、ファンは期待した。
「これを続けられれば、まだ何かある」
そう思ったはずだ。
そして8月27日、金丸が投げた試合
5連勝を止めたのは8月27日の阪神戦。
先発は金丸夢斗。
ここは非常に象徴的な試合だった。
中日は3点を取った。
しかし阪神に4点を取られ、3-4で敗戦。
つまり、打線が完全に沈黙したわけではない。
あと1点。
その1点を取れなかった。
ここからドラゴンズの「いつもの負け方」
5連勝中は、接戦を勝ち切っていた。
ところが連勝が止まった瞬間から、
「あと1点取れない」
という問題が再び顔を出した。
野球は面白いもので、チームの心理状態が変わると、
「あと1点あれば勝てた」
という試合が続くと、選手もベンチも少しずつ苦しくなる。
DeNA3連戦は、ドラゴンズの問題が凝縮されていた
5連敗を語るなら、DeNAとの3連戦は外せない。
8月28日、2-4。
29日、0-1。
30日、3-4。
3試合で中日の得点はわずか5点。
しかも29日は完封負け。
そして30日は、なんと3-4のサヨナラ負けだった。(NPB.
特に30日の試合は、本当に惜しい。
先発・柳裕也は6回2失点。
7回、8回も橋本侑樹、吉田聖弥がDeNAを無得点に抑えた。
そして中日は5回に2点を取って3-2と逆転している。
つまり、
「勝てる試合」だった。
ところが9回。
松山晋也がマウンドに上がり、DeNA打線につかまる。
先頭から安打、四球などでピンチが広がり、最後はサヨナラ。
3-4。
この試合で責めるべきなのは松山一人ではない。
むしろ問題は、
「3-2のリードをどう守るか」
というベンチの判断だ。
もちろん、守護神を信頼して送り出すこと自体は間違いではない。
しかし、シーズン終盤の松山がどの程度本来の状態なのか。
そして、直前までの登板状況はどうだったのか。
ここは首脳陣がかなり慎重に管理しなければならないところだ。
NPB公式記録でも、この試合は松山が敗戦投手となっている。(
井上監督に求めたいのは「選手を信じること」と「見切ること」
ここが今回、一番考えたいところだ。
監督は選手を信じなければいけない。
特に抑え投手なら、
「今日は松山で行く」
と決めたら、ある程度腹をくくる必要がある。
しかし一方で、監督にはもう一つ重要な仕事がある。
「今日はいつもの松山ではない」と判断すること。
この二つは全く違う。
選手を信じることと、選手を無条件に使い続けることは違う。
井上監督には、この判断をもう少し大胆にしてほしいと思う。
打線も「誰が悪い」ではなく、構造の問題
では打線はどうなのか。
30日のDeNA戦を見ると、福永裕基が2安打1打点。
石川昂弥も2安打。
田中幹也も2安打。
上林誠知も1安打1打点。
個々を見ると、そこまで悪くない。(NPB.jp 日本野球機構)
それでも3点しか取れない。
ここがドラゴンズ打線の難しいところだ。
「ヒットは出る」
↓
「でも得点にならない」
↓
「相手に1点差で逃げ切られる」
このパターンが多すぎる。
だから、単純に
「打率を上げろ」
では解決しない。
必要なのは、
得点圏での1本。
そして、
四球を絡めてチャンスを広げること。
さらに、
走塁で1つ先の塁を奪うこと。
井上監督には、ここをチームとして徹底してほしい。
細川成也をどう使うかは、かなり重要
ドラゴンズが勝つためには、細川成也の長打力が欠かせない。
もちろん、細川一人に背負わせるのは違う。
しかし、ドラゴンズには「一振りで試合を変えられる打者」
細川が打つ。
石川昂弥が続く。
福永がつなぐ。
上林が返す。
このような形ができれば、かなり違ってくる。
逆に細川が抑えられたとき、
「じゃあ次は誰が点を取るの?」
となってしまう。
ここが現在のドラゴンズの大きな課題だ。
石川昂弥には、もっと期待していい
個人的には、ここから石川昂弥をもっと中心に据えてほしい。
理由は単純。
将来のドラゴンズの4番候補だからだ。
30日のDeNA戦でも2安打。
9月1日の広島戦でも4打数1安打。(NPB.jp 日本野球機構)
もちろん、今すぐ完成された4番になれという話ではない。
むしろ、打てない時期も含めて経験させるべき選手だと思う。
「今日は打てないから外す」
ではなく、
「今日は打てなくても、明日また使う」
という起用を続けてほしい。
育てながら勝つ。
これは非常に難しい。
でも、今の中日にはそれが必要だ。
福永裕基は、もっと評価されていい
5連敗の中でも、福永の存在感は大きい。
30日のDeNA戦では2安打1打点。
9月1日の広島戦では4打数無安打だったが、
福永の良さは、複数ポジションを守れることだけではない。
打席でも「何かしてくれそう」という雰囲気がある。
こういう選手を、
9月1日の広島戦は「5連敗の象徴」
そして9月1日。
ホーム・バンテリンドーム。
相手は広島。
ここで勝てば、悪い流れを断ち切ることができた。
先発は大野雄大。
しかし結果は1-5。
しかも6回まで0-0。
大野は6回2/3を投げて5安打5四球、2失点。
ここまでは十分に試合を作っていた。(NPB.jp 日本野球機構)
問題は7回だった。
広島に一挙5得点。
ドラゴンズはその後、反撃できなかった。
つまり、
「投手が頑張っている間に点を取れない」
↓
「終盤に失点する」
↓
「追いつけない」
という、今のドラゴンズを象徴する試合だった。
田中幹也が8回にソロ本塁打を放ったものの、時すでに遅し。
1-5。
これで5連敗となった。(NPB.jp 日本野球機構)
井上監督に今、一番求めたい采配
私は、ここからの井上監督に、
「勝つための采配」と「来年につながる采配」の両立
を期待したい。
今季の順位だけを考えれば、
しかし、今の順位を考えると、それだけでは意味が薄い。
だったら、
石川昂弥。
福永裕基。
田中幹也。
細川成也。
上林誠知。
そして若い投手陣。
こうした選手たちに、もっと大きな役割を与えていい。
もちろん勝負を捨てろという意味ではない。
むしろ逆だ。
若手を使いながら勝つことに挑戦してほしい。
「5連勝→5連敗」は、監督の責任なのか?
これは難しい。
私は全部を井上監督の責任にはできないと思う。
選手が打てない。
投手が打たれる。
怪我人が出る。
これは監督だけではどうにもならない。
ただし、監督にしかできないこともある。
それが、
流れを変えること。
打順を変える。
守備位置を変える。
若手を思い切って使う。
投手交代を早める。
逆に、我慢する。
ここは監督の仕事だ。
5連勝の時にできていたことを、5連敗でも続ける。
そして、5連勝の時には見えなかった問題を、
それが井上監督の仕事だと思う。
ドラゴンズは「弱い」のか?
9月1日時点で51勝70敗1分け。
数字だけなら、間違いなく厳しい。(NPB.jp 日本野球機構)
しかし、私は「何もないチーム」だとは思わない。
高橋宏斗。
金丸夢斗。
柳裕也。
大野雄大。
松山晋也。
細川成也。
石川昂弥。
福永裕基。
田中幹也。
上林誠知。
石伊雄太。
素材はある。
問題は、それをどう組み合わせるかだ。
5連勝したチームなら、もう一度勝てる
ここが一番言いたい。
5連敗した。
だからといって、
「今年のドラゴンズは終わった」
だけでは面白くない。
だって、その直前に5連勝しているのだから。
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